ティアスカルフェイス
[第3話「梟の眼」](1/16)
朝。けたたましい目覚ましの音が涙子の部屋に響き渡る。
「オゥイェス!オゥイェス!オゥイェス!カモォン!」
「うるさぃ〜」
涙子は寝そべりながらベッド横に掛けてある夜霧を掴むと、 目覚まし時計を切り捨てた。部屋にノックの音がし、爺やが入ってくる。
「お嬢様、通算80個目の斬殺でございます。新しい目覚まし時計を用意するこちらの身にもなってくださいませ」
「わたしをおこそうとするやつがわるい…」
「では太陽をお切りになられてください。朝食は焼きたてのパンでございます」
「はぁい」
涙子は朝が弱かった。夜中までティアスカルフェイスとして動いているため、疲労が抜けにくいのだった。涙子はシャワーを浴びてテーブルに着くと、爺やがパンを運んでくる。
「昨夜、お嬢様とイシュタムが戦った廃ビル。あそこに警察が行ったのですが、その」
「なによ」
「イシュタムの遺体がなくなっておりました」
「カメラは?」
「お嬢様が撤退したので、私めもカメラを下げたのでわからないのです」
「あの致命傷じゃまず助からない。死体を何者かが回収したと見ていいわね。イシュタムの関係者…神道教会の人間かしら?」
「まさか、神道教会はイシュタムの件を隠蔽する気では?」
「まだ憶測の域。ちょっと揺さぶってみましょうか。」
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