ティアスカルフェイス
[第2話「首吊りの向こう側」](1/5)
「イシュタム…?」
話を聞くと、どうやら【イシュタム】というインターネットサイトで事もあろうに首吊り自殺を推奨して集団自殺を募っているという。私の学校の生徒8人も、そのサイトに唆されて首吊り自殺をしたらしい。
どうやらイシュタムというサイトは一部の人間に宗教のように深く広まっている。
「腐ってるわ」
私も携帯でそのサイトを開いたが、まさに馬鹿げた宗教的サイトだった。首吊り自殺をすれば天国へ行き、この世の苦しみから解き放たれるという謳い文句が所々にある。書き込みも一緒に首吊り自殺をしてくれる仲間を募集したり、悩んでいることを打ち明け自殺をしたがっていたりする者等様々だった。
「学校は警察へ通報したらしい。 あとはこれが学校の生徒へ広がらないように俺たちでなんとかしよう」
「なんとかしようって言ったって、このインターネットが自由な時代にどうしろっていうのよ?電波塔全部爆破してみる?」
「う…むむ。やはりこのサイトの管理人に運営を辞めさせるしかないのか。」
「…あ、面白いこと思いついたわ。逆に学校中に広めちゃいましょ」
「なっ、会長!何を言って!」
「怒らない。このサイトを冷やかすような広め方をすればいいのよ。」
「つまり?」
「炎上させるの」
私は思わずニヤリと笑ってしまった。 人の怖がること嫌がることを考えるのは得意分野だからね。
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