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[狼の腕の中](1/17)

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▼stage.7 狼の腕の中




しばらくすると幹部５人揃った

揃うのは久しぶりで

何だか心が温かくなる



「…っ」



駄目なのに

いずれRuneに戻るのに


コイツらと過ごす毎日で

目的への手がかりは

なにも掴めていない


自分の拳をギュッと握る



「泪ちゃん？」

「え、何？」



秀に覗き込まれ

拳の力を咄嗟に緩めた



「なんか怖い顔してたから…」


「え、あ…なんでもない」


「そっか」



秀は安心したよう笑うと

反対側の泉の隣に腰を下ろした




「それで、泉。何かあったのか？」



いつもの位置に座る苑は

長い足を組む



「あぁ。周辺のチームについて
　調べてたんだが…」



泉は眉間にしわを寄せ

さっきまでと違う顔だ



「新しくデカいチームがある」


「…新しい？」


「本気で狼牙を潰すつもりらしい」



部屋の空気が重い




「今まで狼牙に喧嘩売ってきた
　チームなんか可愛いもんだよ」


「…」


「手強い相手になると思う。人数は
　傘下も含めて俺らより多い」



狼牙もそれなりに多いのに

それ以上に…



「多いくせに統率力もある
　それ程、総長の人望も厚いってこと」



狼牙以上に多い面子を

まとめて従わせるなんて

並みの人間に出来ない


苑のカリスマ性と同格か

それ以上なのか


暫くの沈黙のあと
ゆっくりと苑が口を開いた


「…名前は」




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