LIFE
[会いたかった](1/22)
寝ている間に日本の政府直下機関の屋上についた。

今は、日本時間で夜の11時。
屋上には何か見かけない飛行機の音で人が集まってた。

アメリカの機関長と共に飛行機から降りる。

雨宮機関長「彩?良かった。無事で」
日本の機関長が走って寄ってきた。私を強く抱きしめる。

「機関長心配かけてごめんなさい。」

ユーテリア機関長「2週間経ったら迎えにきますから。ちゃんと返してくださいね、雨宮機関長。」

それだけ言い残してさっさと戻ってしまった。
感じ悪い普段はそんな人じゃないんだけどな。

「ただいま。迷惑かけてごめんね、心配かけてごめんなさい」
久しぶりに何を話せば良いのかわからなかった。弱音は吐きたくなかったし。

雨宮機関長「おかえり、待ってたよ。ここじゃ冷えるだろう。」
機関長のジャケットを掛けてもらって一緒に機関長室
に戻った。

真っ先に瑠衣達に会いたい
機関長に無理を言って、寝ているかもしれない瑠衣達の部屋に向かった。

-ピンポン
少し待っても誰も出てこなかった。

こんな時間だしみんな寝てるのかな、明日出直そう諦めて帰ろうとした時

-ガチャ

悠「誰ー?」
寝巻きでメガネ姿の眠そうな、悠が出てきた。
悠は私を見るなり、眠そうだった目を見開いた。

悠「あ、彩?」

「うん。」

悠「えっ、どうして?大丈夫なの?どうやって戻って来たの?」
なんだか悠はビックリしてテンパってる感じ。なんだか懐かしい。

「ゆっくり話すから入って良いかな?」

悠「あ、ごめん!入って。」

見慣れた廊下を歩いてリビングに行く。

-ガチャ

やっぱりみんな同じようにびっくりして固まってしまった。

「ただいま?」
疑問系で聞く

「おかえり?」
同じく疑問系で帰ってきた。

みんなにハグして挨拶をする。
"アメリカっぽくなったね。"なんて冗談らしく言われた。けどただ単にみんなの事を抱きしめたかった。

瑠衣「彩!元気してた?」

「うん、元気。向こうで向こうで学校に通い始めた。また2週間したら戻らきゃならないの」

俊「2週間

「私、みんなにずっと会いたかった。会えて良かった。」

俊「彩をずっと助けたかった。何も出来なくてごめん」
俊が苦虫を噛んだような表情を見せる。

そんな顔しないで。胸がきゅーっと辛くなる。

「どうして謝るの?好きで向こうに居たんだよ?誰も悪くない」

拓磨「彩
不意に拓磨が私を抱きしめる。

「もう、アメリカの話はやめよ。」
ここで弱音を吐いたら2週間後戻りたくなくなるし、みんな素直に戻してくれないだろう。

拓磨「この傷は?どうした?」

拓磨は私の腕の銃弾の跡をさする。

「ちょっと揉めてしまった」

拓磨「座って」
ソファーに座る。
拓磨が患部に触れるとチクチクして傷が治っていく。

「ありがとう。」

俊「ゲームでもするか!」
俊がルンルンで言うけど、
机の上に広がるみんなの課題。

「それ、しなくて大丈夫?」

悠「うん、大丈夫。このくらい学校でするから」

明日と聞いて思い出した。

「明日東芸高校行きたい。」

拓磨「あー、東芸祭か。いいよ」
甘党代表の拓磨は流石、知っていた。

瑠衣「陶芸高校?陶芸するのか?」
他の三人はハテナマークを浮かべている。

拓磨「陶芸違いだ。お前ら知らない?製菓科とか調理科とかあるんだよね。そこの生徒が作る食べ物は全部美味しいって有名。その高校の学祭みたいなもんだろ」
拓磨が変わりに説明してくれた。

瑠衣「あーなるほどね。明日って平日だよな。普通に学校あるけど、どうする?」
瑠衣が私の様子を伺う。

Sクラスのみんなに一目会いたいし、クラスの子達にも会いたい。

「早退したいな」

瑠衣「わかった、じゃあそうしよう。」

俊「彩!ゲームしよ!新作出たんだよ」

「うん。」
久しぶりに俊とゲームをした。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。

----次の日----
久しぶりに制服を着て俊のテレポートで学校に向かう。

正門から歩いていると、窓から顔が出てきて、私がいる事に驚いていた。

おかえり、なんて声も聞こえてきた。

悠「慕われてるね。」

教室には行かず、Sroomへ向かう。

-ガチャ

部屋には誰もいなかった。

Sroomは模様替えがしてあって
この前までテーブルが置いてあった場所には大きなコタツが置いてあった。コタツってどんだけマイペースなの?と思いながらコタツの電源を入れて5人で温まる。

やっぱ良いね、日本の文化コタツは。アメリカでも取り入れようかな?

-バンッ

涼馬「やっぱりいた!良かった彩おかえり」
Sクラスの人がみんなやってきた。

「ただいま」
ハグしながら微笑む。

やっぱり自分の居場所はここだなぁ。
カーティリの事は気になるけど、もっとここに居たいって思っちゃう。

寒いからコタツに入ってワイワイする。

「そうなの、カーティリって子がいてね、私のためにセスナ機を用意してくれてたりすごいよアメリカは」

奈留「そうなんだ。良い友達だ」

-コンコンッ
誰かがノックしてる。

Sroomにお客さんなんて珍しい。メンバーは全員揃っているのに。

「はーい」

誰も開けに行かないから私が開けに行く。

-ガチャ
ドアを開けると、見た事のない綺麗な女の子4人が勝手に入ってきた。

ん?Sクラスの人以外でも入れるようになったの?まぁ、良いんだけどさ。

女の子その1「拓磨せんぱ〜い」
女の子その2「俊く〜ん」
女の子その3「瑠衣〜」
女の子その4「悠く〜ん」

ダルダルに甘えた声で入ってきた。
私の両隣りに拓磨、瑠衣でその横に俊と悠がいて、4人に挟まれるようにコタツで寝転んでいた私に女の子達の視線が集まった。

「えっと誰?」
そっと瑠衣に聞く。

瑠衣「日本のトップ機関の社長令嬢様方だよ。下手に俺たちも何も言えなくて困ってるんだ。」
瑠衣は苦笑いしながら言った。

拓磨「瑠衣、なんとかしろよ

そういう事ね。

女の子その1「ちょっとあなた、あれ?アメリカに居たんじゃなかったの?つい先日の新聞にも載ってましたわ。」

女の子その2「あっちにもこっちにも愛想振りまいて大変ね。」

女の子その3「そうそう。ずっとアメリカに居たら良かったのに。まさか捨てられたの?ユーテリア機関長様に。私達の瑠衣に近づかないで」

女の子その4「そこ、私達の場所です。どいてくださる?」

女の子なのになかなか気がキツイな私は目を点にして驚く。言われた内容は別に気にならないけど。

女の子その3「そうよ、今すぐ私たちの瑠衣から離れてよ。」

「あ、うん。ごめん」
渋々起き上がり少し離れた椅子、涼馬の隣に座る。

女の子その3は妙に親しげに瑠衣に話しかける。

女の子その3「あのぉ、今日予定ある〜?もし良かったらご飯でも行かない〜?」

瑠衣「今日は俺たち用事あるから無理」
きっぱり瑠衣が断っていた。

女の子その2「何の用事?」

拓磨「東芸祭に行くんだ。もう良いだろ?」
拓磨が答えた。

女の子その1「えっ、偶然ですぅ、私たちも行こうとしてたんですよぉ。一緒に行きませんか?」

悠「ごめんね、もう約束してるから」
悠が丁寧に断る。

女の子その4「えー、私たちも一緒はダメですか?」

涼馬「無理。悪りぃけど俺等は女とか嫌なんだよね。諦めて。それに彩を侮辱しただろ?お前らの好きなやつら雰囲気変わったの気付けよ。」
ちょっとイライラ気味の涼馬のオーラに圧倒され、

「また、来ますねぇ。」
女の子達は不機嫌に帰って行った。

雰囲気変わったかな?

確かにみんな少し怒ってる感じ。何に対して怒ってるの?怒る要素なかったのに。

涼馬「鈍感なのは相変わらずか。」
涼馬は私の頭をクシャっとする。





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