マイ・ダーリン
[生を司るもの](1/10)

僕は靴を履き深呼吸を軽くすると、ドアをあけ外へと飛び出した。今から起こることは自分からしたら全くの未体験。

遠足へいく前のバスの中のようなドキドキ感。この何処ともない死への興味は、平和で平穏な日常への報復なのか。今から自分が生を操ることができると思うと、いてもたってもいられない。

ネット掲示板でいくつもの殺人鬼の名言や死への恐怖を味わった人々のコメントも見た。それを見るたびに、いかに今日という日が待ち遠しかったのか。

今日を選んだのはただ単にあの死神が初犯を犯した日であるからだ。つまり、伝説が始まった日である。僕は敬意を払うためにこの日を選んだのだ。

もちろん殺人の対象は無差別。すれ違った人を殺る。しかし、人目がつくところはNGだ。よって待ち伏せという形になるのだが。



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