Remain Calm!
雨 の 日
窓ガラスから見た空は、どんよりとした灰色をしていた。
朝から暗い空模様は、何だか不吉な出来事の前触れのようにも思える。
季節は梅雨。今日は、六月に入ってから初めての雨が降っていた。天気予報によれば、これから何日かはこの天気が続くらしい。
まあ、別に雨の日は嫌いじゃないから良いけれど、この――まるで悪魔にでも支配されたかのような空の色を見ていると、それなりに俺の心は沈むのだった。
理由は他にもあるのだけれど。
「うん。私も雨は好きだけど、梅雨はじめじめするから嫌だよね」
「……ああ、まあね」
言いながら、部屋のカーテンを閉める。
そんな俺の目の前で、少女は座っていた。
約半月前。俺は一人の少女に出逢った。
名前はエミリア。桜色の髪の毛に、真っ白な服が印象的なその少女は、突然俺が悪魔になりかけていると宣言し、自分の事を天界から来た天使だと言った。
初めは意味が分からなかった。
全く持って理解不能。
現実逃避中の非現実少女なんだと、その時は思っていた。
でも、よくよく彼女と過ごしてみれば、その考えは違っていたらしい。
結果、彼女は正真正銘の天使であり、俺は確実に悪魔になりかけていたのだから。
というかもう、完璧悪魔だったと言っても良い。逆に、悪魔でしかなかったと思う。
そして、彼女と出逢ってからの半月間は、俺にとっては地獄のような日々だった。
とってもとっても大変だったのだ。
俺の人生の中でも、ここまで頑張った事はなかったと思う。無論、これから体験する事もないのだろう。
否、出来ないといった方が良いのかもしれない。
- 30 -
前n[*]|[#]次n
◎しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
