Remain Calm!
出 逢 い
さて、何事もなく始まった学校も、もちろん何事もなく終わりを告げた十六時過ぎ。俺は、朝登校してきた道を一人歩いていた。
無論、家に帰るためである。
部活をしていない俺にとっては、学校なんていつまでいても意味のない場所だ。
かといって、家に帰りたいわけでもなかったのだけれど……
しかし期待を裏切らないくらい、今日も学校はつまらなかった。終わったらとりあえず下校したくなるくらい、いつもと変わらぬ虚ろな一日だったのだ。
何がつまらないのかと言えば、それはなかなか表現するのが難しい。
俺には倉田のような友人もいるし、学校が嫌いになるくらい成績が悪いわけでもないのだ。
まあ強いて言えば、
学校に行く意味が見つからない。
そんなところだろうか。
将来やりたいことや、叶えたい夢もない俺にとっては、学校に行く理由なんて別段ありはしなかった。
ただ、世間一般はそうだから。世間体を保ちたかったから。多分そんな感じ。深い意味なんてない。
でもそんな学生なら、全国にはもっとたくさんいると思う。とりあえず高校に行って、とりあえず卒業して、とりあえず大学、専門学校、もしくは就職を――
ノリでそこまで行けたら凄いな。
まあとにかく、明確な理由もなく通っている俺にとって、何だか高校は萎えるのだ。
何か一つでも目標があれば、今とは少し違ってくるのかもしれないけれど。
でも、目標があって高校に入学する人が、一体どれだけいるのだろうか。これは俺の考えでしかないけれど、実際そんなに多くはないと思う。
現代の風潮からすれば、高校に進学するのが一般的だ。というか、するのが妥当だと言っても良い。
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