その男は人差し指を突き上げて、相手を見下すかのような表情で言った。
「とぼけても無駄だぜ……あんたがこの事件の黒幕だって事はわかってる」
ボサボサの髪に、胸元の開いた白いシャツから見えるカジュアルなネックレス……ジーンズを履く足元はクロックスと、とても探偵とは思えないこの男の言葉は……不思議とこの場を支配した。
男は相手をおちょくるかのように言った。
「あれ?「どうしてわかった?」……そんな顔をしてるね……」
相手の青ざめた表情を見て、納得した男は笑った。
「ははははっ!……だって、俺には見えてるんだよ……」
「そこにある『文字』がね……」