蝶々遊び。
○[狸寝入り。](1/29)
―――――
――――
そして、私は尚も先輩に抱き締められたまま。
っていうか……
……そろそろ息が苦しいです、先輩……
まぁ、安心出来るし嬉しいんですけど……
龍星先輩が電話を切って約3、4分後。
「龍星さんっ!」
「龍星っ!」
「あ……
駿平くん、來さん……」
もしかしたら全力疾走したんじゃないかっていうくらいの物凄い勢いで、
駿平くんと來さんが公園に駆け付けた。
……っていうか……
なんでこんなに早く?
私が2人を見ると、
2人共なんだか顔つきが険しくて……
「龍星っ、まさかこいつらって……」
「龍星さん……
しかも、モチヅキさんが襲われたなんて……」
焦ったように、龍星先輩に問い掛けていた。
……“こいつら”って?
聞こえてきた言葉が少し気になり、頭上の先輩の顔を見上げると……
「……あぁ、そうだよ。
來、駿平?後は任せた」
……冷たくて、真っ暗で。
まるで感情なんて全く無いような……
そんな顔をした龍星先輩がいた。
だから私は、とっさに下を向いた。
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