蝶々遊び。
○[2つの顔。](1/29)
 
―――――




暖かくて逞しい
先輩の腕の中で



私は

何もかもを忘れて
眠る事が出来たの




先輩

先輩は



優しい人、ですよね?




――ふわふわした温もりの中で、

誰かに頭を撫でてもらってる気がした。





―――――
――――




眠りから少しずつ覚醒する私に、

遠くの方からバイクのマフラー音が聞こえてきた。



あぁ、隼人兄帰ってきたの……?



…………いや、違う。


漫画とか小説とかみたいに、

家で寝てると思ったら
起きた途端に知らない場所だったから
めちゃくちゃ驚いた……


……っていうバカみたいなリアクション、残念だけど私はしないから。



……覚えてるもん。




私は……


……隼人兄を怒らせた上に叩かれて、

駿平くんに溜まり場に連れてきてもらった。



そして……


……龍星先輩に会い、
抱き締められながら眠っちゃったんだ……



冷静にそんな事を考えながら目を開けた。



……ら……




「……おはよ、ちぃ」



「……っ!?」



「……どした?」



「えっ、えっ!?」




……目の前には……


……何故か上半身裸の、
龍星先輩がいたんだ……



 

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