誓い
ー捌章ー[追憶〜光が死んだ日〜](2/17)
沖田の言葉に、尚はピタリと動きを止めた。
間者とは密偵のこと。
つまりは裏切り者。
「当時浪士組と呼ばれていた新撰組は結成された頃から攘夷志士の取り締まりを任されていました。
時を経る毎に彼等にとって浪士組は邪魔者以外の何者でも無かった。
そんな折、彼等が目を付けたのが晶でした」
理屈は通る。
だが、信じられない。
あんなに仲間を大切にしていた兄がその仲間を裏切るなんて、と。
「晶は…間者にならなければ貴女を。
妹を殺すと脅されていました」
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