誓い
ー参章ー[その微笑みを](1/9)
「ハアッ!!」
カーンッ
「其処まで!!
勝者 秋白!!」
「「ありがとうございました」」
稽古での打ち合いを終え、尚は手拭いを片手に隅へ移動した。
新撰組に入隊して早一月(ヒトツキ)。
何とか女だとはバレずに済んでいる。
上洛する前もした後も竹刀を握り続けていた尚は、周りからも一目置かれるようになっていた。
尚自身、自分が強くなっているのが分かった。
けれど
まだまだ彼奴の背は遠い。
強くなればなるほど遠くなって行く。
―焦るな…確実に
手のひらを握り締め、尚は反対の隅で藤堂と笑いあう沖田を見据えていた。
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