Shutter☆Chance 2nd


an epilogue. (1/11)




―――……
――……




カシャ、カシャと、シャッターの音が小刻みに鳴る。



この感覚、ほんとに好き。ひとつひとつの何気ない瞬間を、カメラは永遠にしてくれる。




人間の記憶は不確かだ。昨日食べたモノをたとえ今日思い出せなくても、カメラがあればどうにでもなる。



今日、私と工藤先輩は新幹線に乗り、母校である高校に出向いていた。



ここのOBとして日頃の活躍を生徒達に話してくれ、と校長直々に頼まれたのだ。


先輩はその仕事を引き受けた時、最初面倒くさそうな顔をしていた。



なのに、蓋を開けてみれば、その仕事は条件付きだった。



“カメラマンは澤野美香指定で――”






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