初めては、ワンナイトから。
[06.自覚](1/11)



『はぁあ!?みさ、あんた



今日が土曜日でよかった、と
心からそう思う


時計はもうすでに
13時を指してるのに
未だにベッドから動けない


頭が、痛い。


絶対飲みすぎた
ガンガンする

今頃ヤマダ課長も
ぐったりしてるのかな。
いい飲みっぷりだったけど
ハイペースすぎて。


桐谷部長は、?


送るって戸惑いながら
言ってくださったけど

その言葉無視して
全力で1人で帰ってきてしまった


なーにが帰れないって言ったら
どーしますか?だよ自分!!!

めっちゃ元気に
帰宅できてるじゃん!!!


家着いてからは
プツン、と記憶が切れて
気付いたら今に至るわけで。


メイクも落とさず
お気に入りのジャケットは
シワだらけ。



動かなきゃってわかってるけど
体が重すぎる。






『それって、
もう好きじゃん、上司のこと』




そしてそして電話越しに届く

まるちゃんの言葉が頭に響いて

なおさら痛くなる。


全部、曝け出した

昨日あったこと
まるちゃんに、ぜーんぶ。





そうなるのかな?」




モヤモヤしてるこの感情
桐谷部長のこと、好きだから?


自分に問いかけても
ちっとも、わからない。


サクヤさんは
彼女ヅラされるのが面倒だって

桐谷部長も社内の子に
手を出さないってことはきっと
割り切った関係を望んでて



だから、私は


セーブをかけているだけなのか。


分からないけど。




『気づいてるんでしょ?
 気づかないよーにしてただけで。』




電話越しから
聞こえるまるちゃんの声は
少し呆れてるようで。




『大地ん時も
 こんな感じだったよね〜
 好きって気持ちに疎すぎるの?』




そう、大地とは
まるちゃんと私、
3人とも同じ大学で。


経済学部は一緒だったけど
専攻が違くて。


きっかけは忘れたけど
大地から話しかけてきてくれて
3人でいつの間にか一緒に
仲良くなってて、


卒業前に
大地から告白された。


まるちゃんには
色々大地は相談してたみたいで。


私も、好きか分からないけど
気になってはいること
まるちゃんに相談してて


まあ、まるちゃんは
キューピット的な役割だったわけで。






『恋愛経験ないって丸わかりよね
 まあそういうとこも可愛いけど。』



「バカにしてるでしょ





今鼻で笑ったでしょ、まるちゃん。

聞えてますからね。




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