今日も地獄は大忙しだった。
「エンマ様!死者がどぉーっとやってまいりました!もうこれ以上は無理です!無理!」
「エンマ様!天国の神からまたお茶のお誘いが!そろそろ行ってやってください!」
「エンマ様!トイレ行っていいすか?」
「とりあえず死人はちゃんと並ばせて!それでも無理なら熱湯地獄にでも放り込んで!神には......うん、あれだ。めんどくさいって言っといて!それとトイレはいちいち言わなくてもいいって言ったろ!黙っとけバカ!」
てな訳でエンマ様はイライラしてて。
だから部下の子鬼の話を聞いてなかった。
「エンマ様!死にそうになってるやつがあの「あーもういいから!さっさと殺しちゃって!いちいち報告しなくていいって」
「いいんですか?」
「ほぉー貴様私に盾突くというのか?いいんだぞ?貴様の舌を抜いてやっても!」
ちなみにこのエンマ様、一度も舌を抜いた事がない。
「は、はい!今すぐ!」
で、
「ここは......どこだ?」
一人の男が犠牲になった。
「なぁ鬼君。私には彼の頭上に蝋燭が見えるんだが。しかもまだ結構長ーい」
「ですからまだ死ぬはずのない人間です。でもあのままでは死にそうだったのでエンマ様に報告したら、"殺していい"っておっしゃいました。だからそのまま死んでもらいました。」
「詳しく説明ありがとう。なるほどつまり」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ゴメン、間違えちゃった☆」
地獄新常識
[エンマ様は舌を抜けない]