Goddess Around The World ヘラの冒険2 地球時刻0時…君は?
[第三幕一章『決意』](1/3)
トッコはそれからまた赤ちゃんに戻って、地球星域を丹念に調べたが、ダメだった。
火星の中央都市近郊の外れの商業都市。そのまた外れにある、ラーメン軒『マーズドラゴン』。
朝。
今日の朝食はカツカレーだ。
前日の残ったカツ2枚を半分にしてご飯に乗せ、カレールーを掛けた。
カツカレーはマーズドラゴンのスペシャルメニューでたまにしか出ない。
昨日は20食分作ったが2食分だけ残った。
トッコはほ乳瓶でスザンヌに飲ませてもらっていた。
いつもは飲んだ後、すぐにゲップをして寝てしまうのだが今日は違っていた。
赤ちゃんなので、すごく小さな声で、おぼつかない喋り方で言い始めた。(第一、赤ちゃんが喋るのだって奇跡的ではある)
「パーパ、マーマ、しょえかりゃ、ジージ、バーバ、ロッコ(トッコ)はんはえら(考えた)」
「何を考えたんだい?」
ミンクーさんが優しく聞く。
「ロッコ、ちゅぎょう(修行)ゆく」
「ええっ!?」
リュウ・シモンさんを除いた全員が同時に叫ぶ。
「ちょう、もいにちレレマチィれたくっれみて、らめらったら、ロッコちゅぎょにゆく(今日、もう一日テレパシーで探ってみて、ダメだったら、トッコ修行に行く)」
「ダメよぉ!そんなこと許さないわ!」
スザンヌが即座に応える!
しかし彼女はもう分かっていた。
『トッコちゃんは私達が止めてもダメなんだわ。この子は行くと言ったら行くのよね』
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