隣の悪魔
[タコ](1/8)
「え?!別れたの?!」
あれから2日後、いつもの社員食堂。
香菜、声大きいよ…
「たぶん…」
「たぶんて何?!フラれたの?!」
「たぶん…」
あの日からもちろん悠太からの連絡はない。
たぶんフラれたんだと思う。
「まぁ誕生日忘れるような男なんて有り得ないし、逆によかったじゃん」
逆にね…逆によかったのかな。
あの日は結局アパートに帰ってもひたすら泣いて、橘は何も言わずにずっと側にいてくれた。
さすがに申し訳ないので、夕方には自分の部屋に帰ってもらったけど。
次の日もいつものように来て、私に食欲がないのが分かっていたのか、コンビニのお弁当を2人分買ってきてくれていたので一緒に食べた。
本当は何も食べたくなかったけど、命令だと言われて完食するまで監視された。
きっと橘なりの優しさだったんだと思う。
今も日替わりランチを残したいけど、目の前の橘の目が食べろと言っている気がする。
ニコニコしてるんだけどね。
目が笑ってないよね。
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