正義の殺しは犯罪か?
[ウォーツ・ハイズヴァン戦](10/11)
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一瞬であった。
しかしまた一瞬で俺は命を救われた。
俺が撃った銃弾が俺の嫁の腹を貫いて、
その弟...俺の義弟で忌むべき敵に攻撃を受けたのは一瞬の間だった。
突然喋らなくなった彼が胸元から刃物を取り出して、自分の喉を掻っ切る振りをして俺に襲いかかってきたのだ。
「ぐうっ!!」
右腕の肉を削がれる。
血が溢れる。
「許さねえ...」
「何を言う!お前が原因ではないか!」
「俺が原因?そう、俺がこんなことしたのがいけない。
でもお前が悪い」
理不尽。しかし、有無を言わせない力強さがあった。
もちろん俺達アポストルは今朝方飛行機で飛んできた訳ではあるが、それは死にに来たのではない。
戦いに慣れていない仲間達は多分たくさんの仲間が死んでいくのに既に精神が限界だったのだろう。
あるものは逃げ出し、
あるものは狂い、
あるものは自害した。
死屍累々、地獄絵図。
そんな言葉が良く似合うような場だった。
「なあ、神楽岡さん。俺思うんだよな。なんで正義の殺しすら罰されるのか、って。
なあ、そうは思わないのか?
だってこのままにしていたらただただ地球が壊れていくだけだろ。
だってこのままにしていたらただただ戦争が起こり続けるだけだろ。
ならなんで現状を壊そうとしない?
ならなんで手っ取り早い方法を取らない?
ねえ、俺は、俺は」
「黙れ。貴様はルールを破った時点で悪だ。
悪に正義も糞もねえ。悪だ。
お前ほどの頭があれば多分いい学者になれたよなぁ。
馬鹿野郎が。
だから俺も悪になってやるよ。
お前を"正義の制裁"として殺すことが、俺の悪で、使命だ」
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