そんなメイドは蟻原さんである
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私立箕形学園高等学校

俺の通っている高校だ。
別にお嬢様お坊ちゃま学校というわけではない。
まぁ私立なのだからやはりお金はかかるのだけれど、それでも普通の高校だと胸を張って言える。(しかしまぁ普通の定義は難しいもので、普通の学校というのがなんなのか、正直知らない。)
校舎が4つあるこの学校は、実習棟、1.2年棟、3年棟、事務棟とある。体育館が1つとその屋上にテニスコート、屋内プールがあり、グラウンドは2つ、噂では体育館増設計画が建てられているということらしい。
こうつらつら述べると、私立の力とはすごいものだと思う。
すごいんだよ。
そう、すごいすごい。
語り部として、もっといいワードを選ぶ、つまりセンテンスしなければいけないのは重々承知だが、こうやって学校の詳細を見てみると「すげぇ」の一言なのだ。


時刻は8時23分。
俺が行くのは去年の教室、つまり1年3組の教室だ。
1.2年棟に向かうわけだけど、この学校は勉学集中の名の元で、3年に優遇というか、優先というか、そういったものがある。
自転車置き場から一番近いのは事務棟と3年棟だし、第一グラウンドも3年棟の近くだ。1.2年棟は自転車置き場から少し遠く、プールなら近いし、実習棟とも隣合ってるが、まぁつまり、勉学のための利便性は3年棟に譲ろうというわけなのだ。
あと2分、幸い旧1年3組は1.2年棟1階のため、階段を登る苦労はない。
不幸中の幸いだ。
いや、なにが不幸でなにが幸なんだよと言いたいけれど。
あと2分以内に門の中に入り、理想は教室に入ること。
とりあえず門入れば進路指導の鬼鮫先生に殺されることはない。

「いけるぞ!俺!」


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