こぴぺ。

★船(1/4)



●発見されたミイラ船
1927年10月31日、カナダ西海岸バンクーバー島。
ワシントンのシアトル港への帰路についていたアメリカの貨物船「マーガレット・ダラー」号は、行方不明になっていた小型漁船「良栄丸」を発見した。

ボロボロに朽ち果てた船体、ミイラの転がる甲板、激しい死臭、白骨体、足の無い死体。
船室には、頭蓋骨を砕かれた白骨体とミイラがあった。

船室奥の部屋には、おびただしい血痕が染み付いていた。
船尾の司厨室では、海鳥の白い羽が至るところに散らばっており、コンロの上にあった石油缶の中には、人の腕が入っていた。

船内には食物も飲料水も無く、エンジン機関部は全て破損していた。
ところが、船長室から見つかった3冊のノートには、信じられない惨状が書かれていたのだった。

そのノートによると、良栄丸の情報は以下の通りだ。

重量は19tで1本マスト、船主は和歌山県の藤井三四郎、船長は三鬼時蔵、機関長は細井伝次郎、乗組員は12名、神奈川県の三崎港を出港したのは1926年12月5日。

約1年間漂流していた。ここで疑問が浮かぶ。
発見された死体は9体、記録には12名とある。3名はどうなったのだろうか。


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