Choice03〜世界〜
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……とある会議室……


葵と歩……九条の3人は、山村の運転で九条大臣が倒れたとある会議室に来ていた。

九条の会社からおよそ一時間ほど車を走らせたところで、そこそこの山奥にある、九条大臣の隠れ家的事務所の会議室だ。

九条本人もこのような場所に、父親が事務所を構えていた事は知らなかったようだ。

シンプルな正方形の部屋……中央に大きな丸テーブル、そして各席に付いている液晶モニター……。

葵は呟いた。
「会議室に……液晶モニター……。ますます奴の可能性が高まりましたね」

歩は葵に言った。
「やっぱこの液晶モニターだよね?」

「奴の犯行だとすれば……間違いないでしょう」

九条の話によると、九条大臣以外に4名がこの部屋にいた。

名前は全てわかっているようだが……細かい素性までは、まだわかっていないようだ。

葵は九条に言った。
「九条大臣と他の4人の関係性も気になります。そして、何故このような隠れ家的な事務所を構え……ここで何をしていたのか……」

九条は言った。
「僕もそれは気になってね……そこの液晶モニターが繋がっているサーバーを調べたんだけど……」

葵が言った。
「何も残っていなかったのでしょ?」

九条は頷いた。
「その通りさ……」

葵は言った。
「しかし今ので一つの可能性が生まれました。それはアマツカの犯行だと……」

歩と九条はギョッとした。

葵は続けた。
「これが偶然が重なった事故だとしても……サーバーに何も残っていないのは不可解です。つまり何者かが意図的にデータを抜き取ったと考えるべきです」

二人は黙って話を聞いている。

葵はさらに続けた。
「つまりこの犯行はアマツカの仕業で、あの時の僕たちのように、液晶モニターを使って九条大臣達を転送させ……その証拠になるサーバーのデータを抜き取った……」

歩は呟いた。
「筋は通るね……」

「これが事故でないのなら……確実にアマツカの仕業ですね」

葵がそう言い切ると、九条は険しい表情をした。
「くそっ!でもなんで父が……」

葵は九条に言った。
「九条さん……僕に少し時間を下さい」

九条は目を丸くして葵を見た。
「何をするつもりだい?」

「白峰百合(しらみねゆり)に会います……」

葵の言ったその名に、九条と歩は目を見開いた。

歩は言った。
「あ……会えるのかい?」

「アマツカの名を出せば……」

九条が言った。
「しかし……彼女になにが?」

「それはわかりませんが……彼女は唯一アマツカの先手をいった人物です」

歩が言った。
「じゃあ……俺も一緒に……」

葵は首を横に振った。
「僕一人で行きます」

歩は激昂した。
「何言ってんだっ!?彼女の正体はまだわかってないんだぞっ!」

「一人じゃないと、彼女は会ってくれませんよ」

九条は歩の肩を叩いた。
「歩……葵君に任せよう……」

「正気か?九条っ!」

九条は葵に言った。
「葵君……ただし条件がある」

九条は葵に条件について話始めた。



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