burst
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01
side〜M〜
『ねぇ、結局今年のクリスマスはどうなったの?』
あと1週間。
「あー、イブは休む。
当日は《JEKYLL and HYDE》貸し切るからお前も来いよ。」
まぁ、当日は例年通りね。
クリスマスを家族水入らずで過ごすことよりも仲間内で過ごそうとするケイが好き。
私の事も大切にしてくれてるけど、みんなの事も変わらず想ってるケイに魅力を感じる。
出勤を見送って、2日ぶりにリカと長電話でもしようかな。なんて思ってたら携帯が鳴った。
ーー?
登録されてない番号からの着信。
『誰だろ。』
あぁ、また独り言言っちゃったなんて思いながら耳に当てる。
『もしもし?』
「久しぶり、番号変えて無いんだ?」
誰?
って思いと、本当に掛けてきた。って思い。
だって、その声ーー
『どちら様ですか?』
「あぁ、俺番号変えたんだよ。ミズキだけど。 」
ほらね。やっぱり。
連絡があると思ってたってよりは連絡が来たらどうしよう。って思ってた。
リカから忠告されてた。
《 アイツの事だから何か言ってくるかも。絶対に出るなよ。 》って。
もちろんそのつもりだった。
番号はとっくに消してたけど最後の数桁なら覚えてて。
付き合ってた時恐ろしいほどの着信を残された事があったお陰でなかなか頭から消えなくて。
だからその番号からの着信は無視するって決めてたのに。
『ーーそう。』
まさか番号が変わってたなんて。
ここでいきなり切るのも何だか気にしすぎてるみたいで収まりがつかない。
「凄い偶然。ビックリしたよ。」
私は掛けてきた事にビックリだよ。
『何の用?』
「旦那ーー仕事中だよね?」
『だから、何の用?』
質問には答えず同じ言葉を繰り返す。
「久しぶりじゃん。」
そう。普段の話し方は穏やかだった。
まさかこんな人がーーって最初は信じれなかった。
水が入ったコップに手を伸ばす。
その指が震える。
電話越しに声を聞く事すら私は恐怖を感じてる。
良くもまぁ、こんな人と付き合ってた。
離れてケイとの幸せな生活に浸かってーー更に私はミズキが怖くなってる。
「ミナ、アヤに言った?俺らが付き合ってたって。」
『ーー言ってない。』
「そっか。ならそのまま黙ってて貰えるかな?」
『ーー。』
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