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〜side K〜


『アヤの旦那さーー旦那、ミズキだった。』



仕事前に1軒知り合いのダーツバーに寄って。
毎年恒例のクリスマスの買い出ししてから店で仮眠とろうかな。なんて考えながら車に乗り込んだら携帯が震えた。

ナビに表示されたのはミナ。

今日は昔の?友達と遊ぶって言ってたっけ。

電話してくるのは珍しい。

メッセージならーーって、メッセージもアイツが妊娠してからあまり来なくなった。

妊娠してからのミナはなんて言うかーー遠慮がち。

「もしもし?」

それなのに電話なんて。

昨日風呂場で話し合ったからなのか。

あれから少しは謎の遠慮が減った気がする。

また、甘いもんが食いたいとか帰りにティッシュ買ってこいとかーー

《 電話、どうした?》

電話?

「は?掛けてねぇよ?」

何言ってんだ。
誰かと勘違いしてんのか。

《 あーーそうなの?何時くらい?》

こっちが聞きたい。

何時くらいに俺からの着信があってた?

てかどう考えても俺からかけた覚えはない。

「なんの話?」

話が読めない。

『そっかーーならもう帰った方が良いかな?』

そこでちょっと思考。

こいつはなにも勘違いしてないし俺も間違えて着信なんか残してない。

会話が噛み合ってないのはミナも気付いてる。

気付いててやり取りを続けてるのはーー読んで欲しい何かがあるってこと。

一先ず黙る。

これは様子をみるしかない。

《 うん。なら今から帰るよ。》

誰も帰れなんて言ってない。

てか俺まだ仕事が始まってすらないし。

ミナが仕事の間暇してるのは分かってる。
それならそのアヤって奴に相手して貰ってたら丁度いいなんて思ってたのに。

このまま通話を切られそうな空気。

「ミナ、ちょっと待て。」

何かーー電話の向こうで何かがあったってこと。

その場にいる人間には誤魔化したい何かがあるってこと。

《 ん?》

「今から迎え行く。
アヤだっけ?代われ。」

下手に1人で帰らせるのもなんか怖い。

その場を動かさず俺が迎えに行くのが1番安心出来る。

話を終えてから直ぐにシュンに連絡。

寝てたのか電話に出たシュンの声は掠れてる。



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