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『寒ッーー』

洗濯物のカゴを抱えてベランダに出てーー思わず声が出た。

12月の朝7時。

外はまだほんの少し薄暗い。

脱水が終わったばかりの洗濯物はハンガーにかけて干すとほんのり湯気を纏ってる。

凍える指で最後の1枚ーー黒のポロシャツをハンガーにかけて、逃げるように家の中に戻った。

毎日の家事ももう慣れたもの。

キッチンに向かうと使用済みの皿が数枚。
水につけて置かれてる。

やっと、水につける癖をつけてくれた。

何度も何度も言い続けてやっと。

『乾くと汚れがほんと落ちないの。』

文句を言う私に、

「落ちなきゃ捨てとけ。」

なんて返すとこがらしい。っちゃらしい。

皿洗いを終えてテーブルを拭く。

本当はこの時間に掃除機かけてしまいたいんだけどな。

寝てるのを起こしてしまいそうでそうもいかない。

この時間の私の行動は大体同じ。

毎日同じことを繰り返してる。

同じことの繰り返しーーそれを幸せと感じるのは私が色々と落ち着いたからだろう。

平凡で安定したこの生活に私は満足している。

左手の薬指に光る指輪にそっと触れてみる。

今日は煮込みハンバーグにしてあげようかな。
こないだ作った時美味しそうにしてた。

最近、ほんと少しづつ。
まだまだなんだけどホント少しづつ。

何考えてるかが分かってきたようなそうじゃないような。


12時頃に買い物に行ってご飯の準備をする。

付け合せ、何にしようかな。
こうやってのんびりと献立を考えて、丁寧に料理をするのは楽しい。

テレビを見ながら作り始めてーー諸々出来上がったのは13時を少し過ぎてから。

そろそろいいかな。

今日は早めに起こして。って言ってた。

いつもより早く仕事に出るからって。

寝室に向かうと遮光カーテンのお陰で真っ暗な空間。

ベッドの隅に立って、寝起きの悪い旦那様の肩を揺らす。

『ーーケイ?起きて?』




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