RooM 2 感染
[第七回 空回りする復讐](1/1)
その夜、
武の携帯に着信が入りました。

武は立ち上がり言いました。


黒いパーカーの男を見つけたぞ。

そう言うと武は台所から包丁持ち出し、
出て行ってしまいました。
僕は後追いましたが、
武を見つけることができませんでした。

あの賑やかだった家には、
狂った父と僕の2人になりました。

父は母の写真とずっと喋っています。

武は黒いパーカーの男を追いかけたまま、どこにいるか分かりません。
僕たちはなぜ、こんな風になってしまったんだろう?
僕たちが何をしたと言うのだろう?
数日前まで幸せだったのに。
どうして、どうして、どうして。

僕は父に話しかけました。


お父さん。これからどうすればいいんだよ

僕は独り言のように父に伝えた。

すると、父は振り返り僕に言った。


よく考えたんだけどさぁ。
やっぱり白髪の老婆のせいだよな。
警察が騒がないなら俺がやるしかないなぁ。
母さんが殺せ〜殺せ〜ってうるさいんだよ

突然の父の発言に僕は驚きました。


何を言ってんだよお父さん

僕がそう言うと


母さんと樹里が殺せって、
うるさいから仕方ないだろう!

その言葉に僕は驚きました。

父さんの記憶が戻ったのか?

それとも、もうそうなのか?

突然の変化に驚きを隠せませんでした。

そう言うと、父は家を出ようとしました。

僕は必死で止めました。
父は僕が必死で止めても、
それを振り切り家を出ようとしました。

僕は叫びました。


父さんがいなくなったら、
僕は1人になるだろう!
なんで、1人にするんだよ!

僕は泣き崩れました。

父は立ち止まりしばらく考えていました。

そして静かに言いました。


だってさぁ〜
母さん達がうるさいから仕方ないだろ〜

そう言って父は静かに出て行きました。

僕は黙って父が出ていくのを眺めていました。

僕は一人ぼっちになりました。

今思えば、
なぜすぐに追いかけなかったのか、
なぜ?
無理矢理にでも行止めなかった。
今でも分かりません。


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