文才チートで異世界生活
[狐はかわいい、これは真理。](1/5)
黒介が異世界に送られてから1年が過ぎた。その時には黒介は小説家になり、「大衆小説界の帝王」と呼ばれるまでになっていた。その頃から黒介は下宿していた店を出て、町外れの古い屋敷を買い取ってそこで生活していた。黒介は町では有名な小金持ちになっていた。
そんなある日、黒介は町の市場に来ていた。
そして市場の一角に奴隷商人の荷馬車が停まっているのを見つけた。
「人身売買か・・・(正直いい気分はしないがこの世界では当たり前みたいだな。肯定はしないが、だからといってやめさせる程の気力もない。俺みたいな正義の味方じゃないその他大勢が一番クズなのかもな)」
黒介は頭の中に生まれたそんな思いを見て見ぬふりして荷馬車の横を足早に通り過ぎようとした。
その時、荷馬車の鉄格子越しに一人の少女の姿が見えた。
「!?」
黒介は少女から目を離す事ができなくなった。理由は、
「かわいい・・・(うおおお!?狐耳だ!あれ本物か?)」
それだけだった。狐好亭黒介は名前通りあらゆる動物の中で狐が一番好きだ。

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