LAST THREAD OF SPIDER
[■C2■](1/1)
ベッドに横たわり

消灯時間を過ぎた頃

アリスのブツブツと呟く独り言を無視しながら

私は暗い天井を見つめる。





…………。」






毎日

同じサイクルで過ごすこの地獄は

私に小さな楽しみや

希望すら与えてくれない。


プライドとして蓄積された過去の経歴など

今更一切関係無い。


一つの罪で人生は180度変わる。

まさに因果応報だ。


だが

犯した罪をスルリとかわす運のいい奴なんて

ホントはろくな人間じゃない事も知ってる。


こうやって

真面目に罪を償っているとなると

まだまだ私はまともなのかもね。





「呆れる……





いつの間にか

私が口にした言葉は

あの悪夢に出てくる登場人物の口癖だとわかり

何故か悔しくて

唇を噛み締めながら両目をゆっくりと閉じた。





看守がカツカツと廊下を歩く音……


他の牢獄から聞こえる奇声……


外界の風すら遮断された空間……


明日も明後日も機械の様に動く自分……





そして


私は目を閉じたまま


いつもの様に


右手を天に伸ばして


思うんだ……





(夢でも幻覚でもいい……



(私にもあの天まで伸びたロープを……



(掴ませて……






とね。


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