LAST THREAD OF SPIDER
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闇が明ける……


日常の雑音……


世界の光……







「ん……んん……」







心地良い振動と

車のタイヤを走らせる小さな音。


自然とゆっくり目を開けると

車内の天井がはっきりと見えた。





松田「やっと目が覚めた?やっぱり仕事で疲れてたんだね(笑)あまりに寝顔が可愛かったから起こせなかった。……なんてね。」




聞き慣れた優しい声を聞き

私は助手席で寝たまま

運転席の方へと視線を向ける。


そこには

スーツ姿の男の人がいて

その存在が安心感を与えるほど

透き通った笑顔で微笑んでいた。





「わ、私……」


松田「まぁ、大変だよな。仕事で疲れてるのに……デートになんか誘ったりしてごめん。」





一瞬

目の前でフラッシュバックする光。


その一瞬の映像には

あの暗闇の一本のロープが確かに見えた。





「ろ、ロープ……」


松田「えっ?ろ……ロープ?」





鮮明に覚えている映像。

今が現実かさえわからないほどリアルな感覚。


私は口を両手で抑えて

心拍数が速度を上げ

何故か震えが止まらなくなっていた。





松田「な、なんか変な夢でも見た?」


「ご、ごめんなさい……ちょっと車を止めて。」





突然の言葉に

運転席の彼は動揺した表情を見せ

ハザードランプを点滅し

車道の端へと車を停止させる。





松田「大丈夫?気分でも悪い?」





私は慌てて助手席のシートを戻し

自分の顔を触り確認する。





「これは夢?本当の私?」




きっと

運転席の彼は

私がおかしくなったと思うかもしれない。


でも……

これが

これが初めてじゃない気がするんだ。




何故か

何故か

次にする行動が

運命の様に決められている気がして


私は

いてもたってもいられず

動き出す。







「き、記録しないと!!!」


松田「な、何言ってんだよ(笑)急に……」





私はまるで同じルートを通る様に

仕事のカバンから

急いで携帯を取り出し

ボイスレコーダー機能を使って

もう一つの世界の記憶を記録する。





「D3=T1……。全ては繋がっている。惑わされないで。やるべき事をやる。それが私。」







神様……

どうか……

この悪夢を終わらせて下さい。



どうか……

お願いします。



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