砂を吐くほどに甘く
[episode4](2/27)
けれどやはり好奇心の方が勝ってしまい、次の言葉を少しドキドキしながら待ってしまう。
髪は完全に乾いたのか、はるはドライヤーの電源を切り、私の髪を撫でる。
その心地よさに、瞼が重たくなってしまう。
「柚亜な、ああ見えてめっちゃシスコンなんだよ。笑えるだろ?」
くつくつと笑いながら、はるは可笑しそうに言う。
シスコンって…アレだよね?お姉ちゃんとか妹とか、女姉妹に対してすっごいデレデレ…みたいな。
はるは可笑しそうに笑っているけど、私はそこまで意外とも思わなかった。
だって、柚亜さん面倒見良さそうだし、年の離れた妹とかすっごい可愛がってそうなイメージがあるもの。
「因みに妹なんだがな、年が三つ程度しか離れてねえの。そんで、妹が今反抗期らしくてウザがられてわりと落ち込んでんだよ、あいつ」
三つ…ってことは今中学三年生なのかな?
でも、やはりぴったり柚亜さんのイメージに当てはまる。あの優しそうな雰囲気から、溺愛する妹にウザがられて落ち込む…なんて想像するのは容易い。
もしかしたらそれは、はるの知っている柚亜さんと私の知っている柚亜さんとじゃ全く別の人物だからなのかもしれないけど。
私はまだ、はるの言う柚亜さんの腹黒い部分を見たことがない。
「柚亜さん、面倒見良さそうだから全然想像できるけどなあ…」
そう呟けば、はるは思い出したかのように口を開く。
「ああ、そうか。千佳は知らないもんな。あいつな、羽山組の時期組長。…分かるか?」
とんでもない爆弾を落としてきた。
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