Broken prince☆
 
 Step2. 打倒、王子

 
 


「七瀬チャン。

バレンタインデーって 
一体何のために存在するのかな」



そう言って
靴しか入っていない下駄箱を
凝視する岩波先輩。





下駄箱なのだから
靴しかないのは当たり前のことだけど、

先輩は、靴ではない
バレンタインデーには必須アイテムの
『あれ』を期待していたのだ。



「最近では、
告白するための『きっかけ』じゃなくて
友チョコとかのが流行りですからね」

「日本男子にとって
バレンタインデーって屈辱以外の
何物でもないと思う……」



そんなにしょげなくても……







―――ドサドサドサァッ!!


「うわっ!?」



隣の1年の下駄箱から
何かが大量に落ちる音と共に、
男子の驚いたような声。





「え……」







音と声の方に顔を向けると

自身の下駄箱から流れ出た
大量のチョコを見つめる
"王子"、龍一がいた。





「こんなに食えるかな…」


なんて言いながら紙袋を取り出して
さっさとチョコを入れだした。







Step2.打倒、王子
 
 
 






 

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茶の間。




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