僕と、遊んでくれる?
◇[本心と決裂](1/6)
【日下 瑞希 side】















目の前にいるのが、










あの香名子だとはとても信じられなかった。












震える手がコーヒーカップにあたって残りのコーヒーがテーブルに広がった。














「今ここにいたのはね、結城くんだよ」






香名子はコーヒーカップをおき直してなんでもない風に言った。








「…香名子…なんで?」








自分の声と思えないほど弱々しい声が唇の端からもれた。













「…なんでって、やりたかったから?」







香名子…――?










「結城の側にいたかったの…例え瑞希を利用してでもね」









なに言ってるの――?




















私はフラフラとする足で立ち上がった。













「ずっと…騙してたの?」


























香名子は下を向いたまま何も言わない。



















「出ようか、瑞希」









香名子の言葉に辺りを見渡すと、店の客がこちらを見ていた。










「他人に聞かれるような話じゃ無いでしょ?」















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