僕と、遊んでくれる?
◇[あたしと結城。](1/7)

【三浦 香名子 side】















死ぬほど勉強して、受験勉強という名の荒波を乗り越えて入学した高校。








入学式の数日後に、親友の瑞希は季節外れのインフルエンザにかかって学校を休んでしまった。











暇だな…。







まだクラスにも馴染めない中、あたしは中庭の桜の木を眺めながらブラブラと歩き回っていた。











「ん…?」







肌寒い風が吹いてきて、そろそろ教室に帰ろうかと考えたときあたしはあるものを見つけて足を止めた。














一人の男子生徒が、降りかかる桜の花びらを一身に受けながら…



















地面に這いつくばっていた。















なにやってんの…あいつ。



あたしは不躾にもじっくりとそいつを観察した。



目を覆い隠すほどに伸びた長い前髪。



かなり、不審だ。


















「ねぇ、なにやってんの?」









半ば興味本意であたしは声をかけた。













桜の花びらを頭に何枚ものせながら、そいつは顔を上げた。
























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