森野探偵事務所物語【改】〜短編集第2幕〜
[第六話 河豚ラーメン](1/8)
君の両親の死の真相がわかる。
その言葉を受けてから、数週間。
藍里は、アパートに戻ればそのパンフレットをボーッと見つめるだけ。
大学の講義でも、殆どが上の空。
友人の香苗との会話も……
「………てことがあってさー!ほんともう最悪だったよー!」
「………うん。」
「なんで、世の中こんなクレーマーだらけなの!?マジでありえない!!」
「………うん。」
「藍里?ちゃんと聞いてる?」
「……うん。」
「………よっ!有名な女子大生探偵!!」
「………うん。」
「だめだこりゃ……。」
と言った具合で、会話にならないことがしばしばあった。
バイト先では、注文を聞きそびれたり、注文した品を間違えたり、コーヒーを零しては無駄にしたりなど、周防に叱られた程だった。
(…………父さんと母さんの死の真相……。)
両親は、事故死ではないということなのか?
なら、あの状況で、死因はなんだというのだろうか。
まさか……………。
嫌な予感が、藍里の頭の中を支配していく…………。
- 88 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]