碧姫
猫のような貴方(1/10)
だけど何故か彼は私に何もしなくて。
蔵の中で過ごす日々が続いた。
その隣には、沖田さん。
よくいる。本当によくいる。
いつまでいるのかというくらいいて、
時たま不安になる。
最初の印象が強すぎて、ね。
何故かっていうのを一度尋ねたけど、
「巡察さぼる口実…だよ。」
にっこりと微笑みながら、これしか言わなかった。
けれど、隣にいると言っても、何を話すでもなく、そこにいるだけ。
時たま不安になる、
とはいえ、誰かが隣にいれば、
それだけで冬になりたての冷たい空気が、
どこか柔らかくなるような気がした。
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