5月、波乱の山登り(1/29)
【5月、波乱の山登り】
「なんじゃそりゃ」
「は…!?“なんじゃそりゃ”!?」
私の決意が華麗に沙雪に突っぱねられた。
なんじゃそりゃの一言で総括しないで!
その態度にむしろこっちが、
なんじゃそりゃなんじゃ!
「なーんで逃げるの?何で意地張るの?先輩に力になってもらえるかもしれないのに〜!
陽芽も私と可愛くなっちゃおうよー」
…そんなこと言われても、
沙雪とは違って
私は根本的に可愛げがないし…。
「安栖君振り向かせちゃおうよー」
「真広は関係ないでしょ!」
…もういい加減に私の真広に対する気持ちなんて、沙雪にはバレてそうだ。
でも、この話をするのはあまりにも…
友達とは言えど照れくささと言うものがある。
もう少し気持ちが固まったら、
進展したら、どこかのタイミングで話をしよう。
「何度でもいうけど私は遠慮するからね?相談室だって他の生徒が順番待ちしてるし、沙雪の応援だけしておくよ…」
少し目を伏せた時。
「そんなこと言わないで、陽芽も私と可愛くなっちゃおうよ〜んっ」
「……」
は?
沙雪の隣にはにこにこと笑う白崎先輩がいた。