ネオヒューマン
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何の変哲もない部屋。
六畳一間のどこにでもある部屋だった。
脱ぎ捨てられた服、放り出されたままのカップ麺の残骸などが、ところせましと散らかっている。
その物で埋め尽くされた部屋の真ん中で、何かがうごめいた。
「クソ、またか!」
ガバッと布団が跳ね上げられる。
そこには一人の男がいた。
「これで何回目だ...」
男は苛立たしげに辺りを見渡す。
「今回は長かった。もうないと安心してたのに...」
男は一つため息を吐き出してから、うんざりとしたように立ち上がった。
「またやり直しじゃないか」
男は散らかった部屋の中を移動して、カレンダーの前に立った。
「俺は確かに2017年を迎えたはずだ。なのに何でだよ...」
男の目の前のカレンダーには、
2015年という数字が踊っていた。
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