プレイボーイの苦悩〜傷だらけの僕。
☆[愛しさと哀しみとキス](1/27)






篤が少しおかしく感じはじめて篤ばかり観察すること、二週間ちかく。



わかったことは女遊びをやめたこと。




やめた、というか

あの三年生の麗菜って女がやめさせたらしいって


颯太はいっていたけど。


かといって篤とその麗菜って人が頻繁に会っている様子は見てとれない。




だいたい麗菜って人。

一体なんなんだろう?






篤を本気でスキなのかしら。もしそうなら、ヤキモチで他の女の子を切らした?



でも、保健室で篤は少し怒ってた。

滅多に口調を荒げたりしないのに。


そういえば見たことないなぁ。





篤が感情を表に出すところ。



その点、颯太なんか、めちゃめちゃわかりやすいのに。



やれ、一緒に帰るだの、手を繋いだだの。

嬉しいときは顔を赤らめてニコニコニコニコ。仮にも元スキだったあたしにまでのろけまくるし。


やれ、一緒に帰れないだの、香川が怒ってるだの、

悲しいときには今にも泣き出しそうなくらい助けを求めてくるし。

だから、あたしがスキだったことに少しは気をつかえっつーの。








ま、でも。

おかげで、全く颯太の事に傷つかない自分に気付いたわけだ。



不思議なもんだよね。



あーんなに、好きだったのに。

今でも大好きな事には変わりないけど



なんていうか種類?


"好き"の種類が違うんだよね。





『ふーん。よかったじゃん。ふっ切れて。』



親友の由美は呆れたように机に頬杖をついてあたしの話しを聞いている。





『てか、あんたもなかなかしつこかったよね。


見てて香川が可哀相になったもん』




「ゔっ……」




『だいぶ痛かったよ、あんた』



「………仰せのとおりです」







由美ちゃん毒舌勘弁して。






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