綺麗なバラには刺がある。
[.第3章.好きなんだって。](1/20)





そんなことを
考えてる間に、高橋さんは
また歩き始めて、

施設の中に入ると
二人分の入場券を買った。



慌てて財布を出そうとすると


「今日は俺が誘ったんだ。
お前は出さなくていい。」

と、止められた。



あまりにしつこくすると
逆に失礼かな、と

財布をしまう。



…水族館、本当に久しぶりだ。



「高橋さん。
あっちから見ましょ!」



つい、テンションが上がって
小走りに行こうとすると、


高橋さんに腕を捕まれた。


「迷子になられたら困る。」



…あ、そっか。


「すみません。」


少しだけ、項垂れる私に、


「…だから、手を出せ。」


声ひとつ変えずに呟いた。

高橋さんの言ってる意味が分からず
言われるがままに手を差し出すと

ギュッと握られる。




「え、あの…、手…。」


「ぐだぐだうるせぇな。
黙ってついてこい。」



ま、まって…。

こんなの…
緊張しすぎて魚どころじゃない!!



それでも、
緊張を悟られないように…、
平静を装って、高橋さんの斜め後ろを歩く。



「わぁ…キレイ…。」


沢山のキレイな魚に思わず声が出る。




「ふっ」

魚に見入っていると
聞こえてきた小さく鼻で笑う声。


…今、高橋さん笑った、よね。




驚いて、マジマジと高橋さんを
見ていると、


「…なんだよ。」



仏頂面に戻ってしまった。





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