黄色い糸
[実験B](1/1)


「残念」俺は聞き返した。


「もし、ニノさんがこの肉体に入れるんだったら、少しの間だけ、私と入れ替わってもらえないかなぁと思って、そうしたら、私も外の世界を見に行けるのかなぁと思ったんですけどね…残念」


どうしよう、話すべきか、話さざるべきか。俺の善意が間違って伝わっては困るし…いや、悪意しかないのか、でもその悪意がないように言えるだろうか


「そうだね。じゃあ、試してみる?」こんな感じでどうだ?


「ありがとうございます」


「じゃあ、いち・にの・さんで出てみて?」


「やってみますね」


「あっ!その前に、これこれこういう理由で肉体を離れたいので、神様ご守護、よろしくお願いしますって言わなきゃ」


「それって本当に必要なんですか?」


「そう、必要だよ。最初に言っとけば、後で怒られることはないからね」


「へえ…そういうもんなんですか?」



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