大人な年下くん

晴れのちもやもや(1/20)

「あっ、家ここだよね?」


「あ、うん!ありがとね」


「じゃあまた明日な
拓君に宜しく」


「うん!」


裕太君はん、と笑うとポンッと私の頭に手を置いた。


澪ちゃんよりも大きくて、頑張れよって伝わってくるみたい。


バイバイと手を振って家の中に入って行った。


玄関には見覚えのある靴。…陽ちゃんだ。


リビングからは…声が聞こえない。拓ちゃんの部屋かな?



ちょっとホッとしてる自分がいる。




リビングに入ると暖房がついていて暖かかった。


でも、なんか暑い。


「あ!裕太君に上着返すの忘れちゃった!」

今頃、寒さに体を震わせながら歩いている裕太君を想像すると申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「明日、お礼…言わなくちゃ」


上着をハンガーにかけてると後ろから声が聞こえた。


「あ…南瑠さん」


一気に心拍数が早くなった。体が固まっちゃうほどの威力をもつ愛しい人の声。



「陽ちゃん…」







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