第二章過去へ・・・・・(1/7)
パチッ
天井が見える‥‥私の知っている天井ではない
ここは何処‥‥?
私は辺りを見回す
周りに人の気配はない
私は体を起こし‥外へ出てみる
廊下を歩いていると‥‥
「目が覚めましたか」
伊織「はい‥‥」
「よかった‥三日も目を覚まさないから心配したんですよ」
伊織「あの‥‥此処は‥どこですか?‥私は一体‥」
「ここは江戸です」
伊織「江戸‥‥本当にタイムスリップして来たの」
「たいむ‥‥何‥」
伊織「いえ、あの私はどうしてここにいるのですか‥‥それとここは‥」
「貴女は店の前に倒れていて、旦那様が見つけて看病していたんですよ‥‥ここは呉服問屋の松坂屋って所です‥‥私は此処で奉公しているおトセって言います‥‥‥貴女の名前は‥」
伊織「名前ですか‥‥名前は伊織‥森 伊織と申します。もう一つ聞いてよろしいですか‥‥」
トセ「どうぞ」
伊織「今は何年ですか?」
伊織の質問に少し怪訝そうな顔するが‥‥
トセ「1862年の8月ですよ」
1862年って事は壬生浪士組になる前かぁ
どうして‥‥
トセ「伊織さん、部屋に戻って下さい。今、旦那様と奥様をお呼びしますので」
伊織「はい、わかりました」
部屋に戻り布団に横になる
バタバタバタバタ
「トセ、意識が本当に戻ったの」
トセ「はい、ですから、奥様走らないで下さい」
物凄い足音が聞こえたかと思うと急に静かになった。
スッ
襖が開きトセと一緒に綺麗な女性が入って来た
伊織「森 伊織と申します。この度は本当に有難うございました。」
「よかったわ、三日も目を覚まさないからとても心配していたのよ。」
伊織「ご迷惑おかけしてすみません」
「あ、私、久美って言うのよろしくね。体が癒えるまでゆっくりしていくといいわ」
伊織「有難うございます」
久美「所で貴女は何処から来たの?お連れの方はいないの‥」
伊織「何処から」
本当の事を言うわけには行かない
どうする‥
考えた結果
伊織「解らないんです。名前以外何も」
久美「えっ、伊織さんあなた記憶が‥」
私は頷いた