
友達からの宣戦布告 (1/8)
昨日の夜、果怜にあんな告白をされてから、俺の頭はそれのことでいっぱいだった。
あいつの顔と言葉が、俺の脳にこびりついて剥がれない。
果怜の泣き顔なんて、久しぶりに見た。
たぶん、幼稚園生のとき以来。
あいつは、昔から強いやつだった。
……いや、違うな。
ただ、強がりなだけか。
今回もそうだった。
きっと、あいつは俺の知らないところでずっと我慢してた。
俺のせいで。
「……はあ」
深い溜息をひとつ吐く。
今朝は、果怜が起こしに来ない。
いくら待ってても、来るはずはないって分かってる。
分かってる、けれど。
時計を見れば、時刻は六時四十分。
――――やっぱり、来ないよな。
待ち合わせの時間は、六時半だった。
もう、十分も過ぎてる。
時間に厳しいあいつのことだから、寝坊なんて有り得ない。
だから、きっと来ない。
今日も、明日も、明後日も。
…………それにしても。
あいつのせいで、早起きの癖がついてしまった。
昨日はいろいろ考えて、寝るのも遅かったっていうのに。
ただでさえ寝不足気味の体に、さらに追い打ちをかけるようだ。
…………すべては、自分のせいなんだけれど。
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