涙は心の中に、思いは瞳の中に。2
[第四章](1/31)
とてつもなく騒がしい組織内部。
……また、だ。
実験体のモルモットにされる。




記憶を抹消する、技術。




可能か不可能か、
この組織なら、やるだろう。
死に繋がるものだとしてもだ。




「……ねえ、今度は誰が実験体なの? 月詠でも、あるの?」




「うちにはいねーよ。そんなもん」




「……閏、がね。いないんだ」




「いない?」




「……友達だった。少しの間だけ。でも、閏……俺のことなんて覚えてなかった。……ほんとに友達だったのかな」




「それはお前とそいつが決めることだ」




「……うん。ねえ、閏……」




まさか。




「実験体なら、消されるぞ。記憶」




「消される!?」




「二度と目を覚まさないかもしれないな」




「……どうし……」




「お前はどうしたいのかだろ?」

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