あれから時は立ち私は18になっていた。
−文久三年−四月
私は広い廊下を歩き爺様がいる広間に向かう…いつもなら道場に真っ直ぐ向うのだけど今日は違う。
私は襖の戸を開け中な入る。
「おはようございます爺様」
「おはよう桜、珍しいじゃないかお前が広間に来るなんていつもは道場に真っ直ぐ向かうのに…今日はどうしたんだ?」
「今日は…爺様にお話があって来ました。」
そう…今日は爺様に話があるだから道場には行かず広間に来た。
「何だ?話とは」
私は目を閉じ心を落ち着かせる事にした。
やっと…やっとこの日が来た…爺様に話させる日が来たんだ…
「私…京に行きたいんです。」
そう私が爺様に言いたかったことは…京に行きたいと言うこと…
京に行きたい理由は爺様には言えないけど…
言ったらきっと行くのは許してくれないのを分かっているから…
爺様は必ずなぜ行きたいのか理由を聞いてくるはず。
だけど言わない絶対に・・・