千日紅

色(1/4)








カタンッ……。



小さな音がさしてはっと伏せていた顔を上げると、開いた窓、網戸の向こうに雀がとまっていた。



その雀はまるでこちらを伺っていて、覗いているように見えるし、なんだか可愛い。



『君、どうしたの?』



背もたれのない丸い椅子から立ち上がり、窓際に近寄って尋ねてみると。



「チュンチュン!」



人になれているのか飛び立ちもせずに小さく首をかしげ、答えてくれた。



いや、もしかしたらただ鳴いただけかも?



なんて、答えの出ない問題に差し掛かった時。




コンコンっと2回だけ、ノックの音が響きわたった。













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