秘密
[建築業 タケイ リョウタ](1/17)
人には決して言えない秘密がある。

付き合って二年のミユとは結婚を考えているがいまいち踏ん切りが付かない。休みの日には必ず会って出掛ける。
二回に一回はセックスも…。
今日も昼間は二人で出掛け、夜には用事があるというミユを家まで送った。

ミユには言わなかったが、俺にも用事があった。
約束の時間までにはまだまだ余裕があったので一度家に帰って時間をもて余していた。

仲間の一人から電話が掛かってきた。
対した用事も無く適当に喋り、切り際に仲間の言った一言に考えさせられた。

「オマエ…まだあのオバさんと会ってんの?…あんなオバさんのどこがいいんだよ?…深入りすんなよ…」

「たまにだよ…単なる遊びだよ…」

「ならいいけど…」

オバさん…。
ユキエは確かにオバさんだ。
年令も四十四だと聞いている。
単なる遊び…そのつもりだった。
興味本意でセックスをした。
きっかけは仲間と行った飲み会だった。

近くで呑んでいたオバさん連中と何となく盛り上がって一緒に呑んだ。
大分酒が回り、そろそろ帰ろうとすると、ユキエも帰る方向が一緒だと言うのでタクシーに二人で乗った。
仲間からは冷やかされ、オバさん達には変な事するなよと念を押された。
勿論そんな気など無かった。二十近くも離れたオバさん相手だ。

先に俺のアパートを通るのでオバさんに金を渡して俺はタクシーを降りた。
するとユキエは金を払い一緒に降りて来たのだ。

「もう少し、呑まない?」

後から聞くと、ユキエもただ単に呑みたいだけだったらしい。

「マジで?だったら途中で酒、買ってきたのに…じゃ、取り合えず買ってくるから、部屋で待ってて…」

部屋を教えて鍵を渡してから歩いて近くのコンビニに向かった。



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