君だから

幼馴染(1/1)




俺には、大事な大事な幼馴染がいる。
彼は俺より1つ年下で、俺が小3になる 春に近所に越してきた。

「はじめまして、細川です。
これからよろしくお願いします。」
「わざわざご挨拶ありがとうございます。
中野です。
こちらこそよろしくお願いします。」
家族で挨拶に来たおじさんとおばさんは優しそうな人で、彼は小2にしては小柄で大人しそうだった。
「これが息子の真人です。
ほら真人、ご挨拶は?」
おばさんの後ろに隠れていた彼が、少し顔を出した。
「ほそかわ、まさと、です。」
名前だけ言ってまたおばさんの後ろに隠れる彼。



『弱そうなやつ』
俺の彼への第一印象。
勝手に親同士に子供同士もよろしくされた。

しかし、俺は彼と遊ぼうとはしなかった。
家が近いため、登校が一緒になることがあり話しかけられても適当に返事をして、友達を見つけるとそっちに行く。
放課後も友達ばかりと遊んでいた。
それにも関わらず、彼は俺の後ばかり追いかけていた。

今考えたら、知らない場所に来て不安だから、歳近いご近所さんに縋るのは当然。
だけど、その時の俺はわかっていなかった。


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