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[よん](1/17)
放課後 アタシと健太くんの二人は

お父さんが不倫している(らしい)悠子さんと待ち合わせしているホテルへ向かった


「ホテルに着いたら、俺がお父さんをホテルへ行かないようにしとくから 」


ホテルの前に着くと 健太くんがアタシの目をじっと見つめる


「かれんは、その女の人としっかり話をつけるんだぞ」

そういうと フワリと健太くん指がアタシの頭を撫でた

うんうん、わかったとアタシは頷く

健太くんが居てくれてよかった…

アタシはその時、すごく思った






でも、

健太くんが行ってすぐメールが届く

健太くんからだ

お父さんに会えたのかな?

アタシはそう思いながら

メールを開いた





「かれん…俺…かれんのお父さんの顔…知らなかったわ。すまん。」



あららら…

後ろを振り向くと

ホテルの建物に隠れて恥ずかしそうにこちらに手を振る健太くんの姿が見えた…







「健太くん…あの人がアタシのお父さんだわ…」


約束の時間の10分前


向こうから早足でホテルに向かってくるお父さんをアタシは指差す


やっぱり、お父さん、浮気していたんだわ


ギリギリまで信じていなかったのに

アタシは裏切られた気持ちになって

今にも泣き出しそうになる

健太くんが居なかったら泣いていたかもしれない


「大丈夫?かれん?」

健太くんが心配そうにアタシの顔を覗き込む



「今にも泣き出しそうだね」


複雑そうな表情で困ったように健太くんは笑いかける

一番今困ってるのは

優しい健太くんだよね


「ごめんね、変なことに巻き込んじゃって」


アタシは精一杯の強がりで笑いかける


「笑わなくていいよ。」


健太くんは そういうと

アタシの頭の上あたりを


ポンポンと 叩いてくれた


「それじゃ、お父さんを呼び止めておくから、かれんはお父さんの彼女とよく話し合うんだよ」

じゃあ、ね


健太くんが 走り出す

お父さんに声をかける


「あの…駅に行きたいんですが、教えてくれますか?」


「え?今急いでいるんだけど」


そんな二人のやりとりが聴こえてくる


健太くんがお父さんの腕を無理やり掴んで

街に消えていく





たしか 駅までは 歩いて20分はあったと思う








タイムリミットは あまりない

アタシは お父さんの彼女

悠子さんを探すことにした




でも


悠子さんってどの人?



12月のホテルのロビー


恋人を待つ若い女の人は



一人じゃないみたい…

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