植物のなにが悪い
[植物と魔王](1/5)




「一応確認するまでしばらくお待ちください。えっと紅茶とかは……」

「あぁ、大体のものは吸収出来るから大丈夫ですよ」


あのあと
大臣ずが慌てて占い師の元へ駆けて行った
彼女と過ごせるのもその間だけだから

力と肩の荷を下ろして、はぁっと溜め息をつきながら紅茶を飲む


「お疲れですねー。まぁ魔王様と言ったら仕方がないのかな??」

「……仕方がないですね。名前はなんと呼べば良いですか?」

「シーデルで良いですよー。もうずっとその名前で呼ばれていますし。魔王様も見ず知らずの人と結婚とか大変ですね」


なんの打算も無い笑顔で
きっと誰もが思いながらも、あえて触れない話題にストレートに突っ込まれて自然に笑いが込み上げる


正直な話、あの出来事を大変の一言であらわされるのはシャクだけど


そうか。言葉にするとたった一言『大変』なんだな
そう思うと何故か少しだけ心が軽くなる


「はい……大変なんですよ。みんながみんな、シーデル嬢みたいであれば良いんですが」

「嬢なんかいらないでーすよ。それに私みたいな能天気が量産されたらお野菜が食べにくくなりますよ?」



これは彼女が植物だからなのだろうか
不思議と噛み合わない会話が面白くて、堪えるが笑いが堪えきれない


ぱっと見、人間にしか見えないから
なかなか諦めがつかない


────魔王に選択権なんか無いんだけどな


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