植物のなにが悪い
[生け贄と魔王](3/5)
「……ようこそ、我が城へ」
「意外に白くて綺麗なところなんですねー」
キョロキョロと城中を見回す彼女の瞳に、恐怖は見当たらなくて
むしろ楽しそうな素振りさえ見えて
───もし、彼女なら
────父さん達みたいな俺の理想の夫婦になってくれる気がして
期待で、胸が熱くなる
前妻たちとは違い、目が合えば笑ってくれるだけで嬉しい
そんな風に期待が高まっていたのに
「でも残念ですが私はシレ村のシーデルじゃ無いんですよ」
そんな彼女の一言で、俺の気分はがくっと落ちた
そんな台詞、嫁に選ばれた女達の嘘の常套句だ
占いで選ばれた少女は間違えなど無く身辺まで調べられるからそんな訳が無いのに
「じゃあ本物のシーデルはどうしたんですか?」
「本物のシーデルは一歳の時に死にました。あまりにも母さんが悲しんでいたので……私は恩もあったからシーデルの身代わりになったんですよ」
興味も無く、うわべだけで下らない会話の先を促すと少女は困ったように笑いながらも精一杯語りだす
けれど、そんな作り話興味も持てなかった
結局のところ、この子も花嫁になるのがいやなんだ
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